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2016年02月15日

GEMS 「数学と科学の偉大な冒険」を学んで

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2016年02月15日 カテゴリー:GEMS / スタッフコラム / レポート
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こんにちは、コサイエの三上です。
GEMSリーダーの2日間の研修に参加し、リーダー資格を取得してきました。
その研修内容をレポートします。
このGEMSは、コサイエの科学・算数分野のプログラムで、
3月に単発講座として開講し以降コース化予定です。

 

ちなみにこのGEMSとは、
Great Explorations of Math and Scienceの略で、
「数学と科学の偉大な冒険」という意味です。
このGEMSプログラムはMIや体験学習(≒アクティブラーニング)理論
をベースにしており、コサイエと親和性の高いプログラムと言えます。

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GEMSの目指すところは、
①自立した学習者の育成
②科学、数学の概念、技術の理解と、前向きな姿勢を育てること
です。※知識を身につけることではない。
今回の研修の三上的ハイライトは、
What Children Learn?ではなく、
How Children Learn?を重視する講師のスタンスで、
つまりは学びのプロセスを重視すること、
それは指導者のファシリテーションが重要な鍵を握るということです。
GEMSの対象はプログラムにもよりますが、未就学児~高校生まで様々です。
以下、講座の概要です。
 
GEMSプログラム「ウーブレック~科学者は何をする人なの?」】
宇宙探査機が銀河系のある星から帰還。
探査機はその星から緑色の物質を持ち帰ってきた。
受講する子どもたちは宇宙科学者で、この物質の性質を調べるために
集められました・・・。という設定。このなぞの物質を「ウーブレック」と呼びます。
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↑なぞの物質:ウーブレック
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↑Dr.Seussの本に描かれた物質に似ていることから、名づけられた・・・という設定
■セッション1:調査
>触る、嗅ぐ、聴くなどあらゆる方法で、ウーブレックの性質を調査
■セッション2:科学会議
>調査結果を報告する会議。ウーブレックの事実を発見し、
できるだけわかりやすく、漏れなく完全に説明できるようにすることが目的。
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↑科学会議での議論の様子
■セッション3:宇宙船設計
>視点を変えて、子どもたちはエンジニアになる。
このウーブレックに覆われた星「ウーブレック星」を探索するための
有人宇宙船を設計する。ただし、複数条件があり、
それを満たす宇宙船の設計とデザインを考え、詳細の説明を行う。
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↑三上が所属したチームの設計した宇宙船
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↑他のチームの設計した宇宙船
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↑プログラム「ウーブレック」の構成とそのおさらい
 
GEMSの基礎知識とラーニングサイクルについて】
導入→探求→概念化→応用というサイクルで定着を図る。

 

【指導者ガイドブックの読み方、利用の仕方】
ガイドブックは30冊以上あり、コサイエでも数冊所有。

 

GEMSプログラム「かえるの算数」】
現役の小学校教諭が、GEMSプログラムの「かえるの算数」を、
独自にアレンジした授業を受講。
発問の意図や、セッションの目的など、みんなで議論しあうのは、
教員研に近い印象。

 

【MI理論と、評価の仕方】
コサイエも踏襲するハワード・ガードナーのMI理論について学ぶ。
>好きと得意の違いはなにか?
>満遍なく好きにさせるのがいいのか、突出させるのがいいのか?
>定量的にフィードバックするために「ルーブリック評価」をGEMSは導入。

 

GEMSプログラム「ペーパータオルテスト」】
いわゆる「キッチンペーパー」を使った探求プログラム。
①何処で使うもの?②どのように使うもの?③ペーパータオルに求めること
をチームごとに議論し、ペーパータオルのイメージを共有しあいます。

 

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↑実験に使用していいもの
その後、4種類のキッチンペーパーの品質を比較するための
対照実験を自ら計画し、「吸水力」と「湿潤強度」における結論を導く
アクティビティ。実験を自分でデザインする楽しさを味わえます。
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↑各チームの調査結果の発表及び実験方法の共有
次に、各キッチンペーパーの値段に関する情報を与えられ、
1カットあたりの値段を調べ、自分ならどれを買うかを考えると共に、
それぞれのキッチンペーパーを売るためのPOP作りを行い、
消費者科学について学ぶ。
GEMSに可能性を感じている点は、上記のプログラムでも分かるとおり、
日本の学校教育が教科書に書かれた概念を学んだ後に練習問題を行う、
という傾向があるのに対し、まずは、探求からその概念化を行うという、
学びのプロセスの大きな違いであり、これは科学者の探求も然りというわけです。

 

 

最後に「浮くか沈むか」を実験するプログラムでのエピソードを紹介して終わります。
水槽の水にスプーンなどを選んで予想するプログラムで、
黄色いピンポン玉をが浮いたのを見て、みかんも浮くと予想したこどもに
理由を尋ねると、「黄色いから」と答えました。
浮いた理由の答えは「空気を含んでいるから」が答えなのですが、
探求において、このような自由な発想は真理を紐解くのに重要な鍵だと思います。
私たちは、この突飛な発想を広げて、こども達の探求心を煽って刺激する
ことを大事にしたいと考えています。

 

そして、コサイエで体験できるプログラムが決定しました!!

題名は「GEMS親子プログラム「ウーブレック〜科学者は何をする人なの?」

下記リンクよりお申し込みいただけますので、どしどしご参加くださいませ。

 

GEMSプログラムお申し込みはこちら

長文ご覧頂ありがとうございました。

 

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