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2018年08月16日

動物も熱中症になる?熱中症のあれこれ

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2018年08月16日 カテゴリー:スタッフコラム
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みなさん毎日暑い中、お勤めに育児にご苦労様です。

今年の夏は特に辛い暑さに感じますね。7月の三連休では熱中症により5616人の方が搬送され、

14人の方が亡くなられました。そして相次ぐように小学校や高校でも熱中症での事故が起きています。

今回は熱中症について、そのメカニズムと予防策、また少し違った視点で

自然の中で動物たちがどのように熱中症対策をしているのか見ていきます。

 

まずは、ヒトの熱中症のメカニズムと症状

ヒトは気温が体温より高い時に汗を出して気化をし、最適な体温に維持する仕組みがあります。

熱中症とはその際に何らかのバランスが崩れて起きる健康障害です。

また熱中症と一口に言っても様々な症状があります。

その主な4つの症状を元にどのようにして熱中症が引き起こされるか見ていきましょう。

 

1.熱失神

体温が上がると体内の熱を外に逃がしやすくするために、身体の表面に流れる血液が増えます。

その結果脳に行き渡る血流が減り、めまい、頻脈、湿疹などの症状を起こします。

2.熱けいれん

体温が上がると汗をかきますよね。汗をかくと体内から水分と塩分(ナトリウム)が失われます。

しかしその際、喉が渇いたと思い水分だけを取り、塩分を補わずにいると塩分濃度が低下し、

筋肉痛、手足のつり、筋肉のけいれんなどの熱けいれんが起きます。

3.熱疲労

また、汗をかいても水分を取らずにいると脱水状態になります。

脱水状態が続くと血液量が減り、臓器機能が低下し、全身倦怠感、嘔吐、頭痛、

判断力の低下などの症状が引き起こされます。

4.熱射病

更に脱水が進行し、体温が上昇すると体温調整の働きが追いつかず、中枢機能に異常をきたします。

40℃以上の高熱や意識障害、全身けいれんなどの症状が起き、最悪の場合死に至ることもあります。

 

大事なのは熱中症の予防・対策方法

最悪の場合、死に至るというのが熱中症のこわいところです。

また同時に、条件次第で誰にでも起こりうるところも熱中症が警戒される理由の一つです。

そこで大事になってくるのが、熱中症の予防・対策です。

では、どのような予防ができるでしょうか。

・飲み物を持ち歩き、こまめに水分補給(塩分を忘れずに)

・外出時は帽子、日傘を使う

・冷却グッズ(冷却シートやスカーフなど)を利用

・日陰や涼しい場所・施設を利用し休憩をする

・室内では気温と湿度がわかるようにし、冷房を活用

・テレビ、 Web、アプリを活用し熱中症指数に気をつける

 

ここで特に活用してほしいのが、「状況を知る」という予防策です。

室内では気温計・湿度計を設置し過ごしやすい環境になっているかを知る、

また今では簡単にその日、その時間帯の熱中症指数を知ることができます。

熱中症指数を見て外出をするか控えるかを決めることもできます。

案外見落としがちですが、自分や家族がどのような状況にいるのかを知るのは大切なことです。

熱中症指数が危険に近づくとアラートで知らせてくれるアプリも今ではあります。

ぜひ活用してみてください。

 

動物たちの熱中症対策!?

今ではそのようにして私たちの周りには便利なアイテムがたくさんあるようになりました。

ですが、ヒト以外の生き物はそういうわけにはいきません。

ここで少し視点を変えて、自然界に生きる動物たちがどのようにしてクーラーも日傘も

冷却グッズもなしに暑い夏をやり過ごしているか見てみましょう。

 

まず動物も熱中症になるのかという点ですが、生き物には生命活動をする上での適温があるため

その適温よりも高い温度になるとやはり不具合が出てきます。

最近では犬や猫などペットの熱中症に関しての注意喚起も増えてきました。

では動物たちはどのように熱中症対策をしているのでしょうか。

我々ヒトは気温が高い場合に汗をかいて体温調整を行います。

しかし、実は汗をかくことができる動物は意外と少なく、霊長類やウマの一部のみと言われています。

汗をかけず動物はどのように暑い気温の中で体温調節をしているのでしょうか。

 

身近でよく見ることができるのが、犬が口を開けてハアハアと息をしているあれです。

あの行動はパンティング(浅く早く呼吸をするあえぎ呼吸)と呼ばれ、

気道からの蒸発(気化)を盛んにしてからだを冷やしています。

私たちが汗をかくのと近いですね。

実はパンティングは犬だけでなく鳥や牛なども行います。

身近なところでいうと、ハトやカラスが暑い日に口を開いている姿を見ることができます。

もしそういう鳥を見つけたら、今暑いんだなと思ってください。

 

また、体の一部を利用して放熱している動物もいます。

大きな耳を持つゾウやウサギがその代表例です。あの大きな耳には血管が集まっていて、

耳をパタパタさせたり立てたりして熱を放散しています。

砂漠に住むキツネのような見た目のフェネックも、

その特徴的な大きな耳は暑い環境で有利に過ごすための工夫です。

 

他には、日陰にいる、水浴びをする、グルーミング(毛づくろい)をするなどをして

暑さから身を守ります。

つまり動物たちも暑い日には無理をせず、暑い日差しから体を守っているのですね。

実際に私も、気温が高くなる時期に緑道の木陰や公園の池に行き、

カラス達が暑くてたまらないといった様子で集まっているのを見かけることがあります。

黒々としていかにも暑そうなカラスが嬉しそうに水浴びをしているのを見ると、

動物達も暑い中を懸命にやり過ごしているんだなと実感します。

 

熱中症を上手に予防して楽しい夏にしよう!

8月に入り、暑く長い夏も本番です!

熱中症は時には命にも関わる恐ろしい障害ですが、

普段から気をつけて正しく予防をすれば防ぐことができます。

ヒトも動物も暑さは辛いですが、同時に楽しい夏でもあります。

子どもたちが元気に遊ぶ楽しい夏とできるよう、見守っていきましょう!

 

参考URL:

大塚製薬「熱中症からカラダを守ろう」

https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/heat-disorders/

 

熱中症ゼロへ「熱中症について学ぼう」

https://www.netsuzero.jp/learning

 

国立大学法人岐阜大学 応用生物学科 生物環境科学過程 応用動物学科コース「動物たちの暑さ対策」

https://www1.gifu-u.ac.jp/~zoology/contents/photogallery/photogallery2.html

 

レース鳩商店街「鳥の体温はなぜ高いか」

http://racebato.a.la9.jp/kiji/taion.htm

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