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2018年07月06日

梅雨のしくみ、説明できますか?

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2018年07月06日 カテゴリー:スタッフコラム
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あっという間の梅雨明けから毎日暑い日が続いていましたが、みなさん体調はいかがでしょうか。

まさか6月中に梅雨明けするとは思いませんでしたが、

今年の梅雨明けの早さは統計開始以来最も早いものだったそうです。

水不足や、早くも到来した夏に熱中症などの注意が必要ですね。

 

ところで、もしお子様に「梅雨ってなに?」と聞かれたら答えられますか?

「雨が降り続く季節」というのは誰でも回答できますが、

ではなぜ雨がたくさん降るのかというその仕組みについて一緒に見ていきましょう!

 

雨をもたらす前線、梅雨前線

そもそも梅雨とは雨季の一種で、日本や中国、韓国などの一部地域に起こる

東アジア特有の気象現象です。

そして梅雨の時期に雨を降らせているのが梅雨前線です。

 

前線とは冷たい空気の塊(寒気団)暖かい空気の塊(暖気団)がぶつかりあう境目のこと。

気団は高気圧の影響を受けて気温や湿度が同じようになった空気の塊のことです。

そして前線では雨が降ります。暖かい空気は軽くなり上にのぼるという性質から、

寒気団と暖気団がぶつかり合うと暖かい空気が冷たい空気の上にのぼり、

前線面で空気中に含まれた水蒸気が冷やされ雨雲が作られるという仕組みになっています。

ただし通常は寒気団か暖気団のどちらかの勢力が強く前線は移動します。

また偏西風や季節風に流されるため同じ場所で雨が降り続くことはありません。

 

ではなぜ梅雨の時期は雨が何日も降り続くのでしょうか?

それは梅雨の時期に日本にかかっている前線が、寒気団と暖気団のどちらも等しい勢力であり

拮抗している状態のため前線がその場所にとどまるからです。

そのような前線を停滞前線と言います。

梅雨前線は停滞前線の一種なんですね。

 

さて、では日本の梅雨はどのような仕組みになっているのでしょうか?

梅雨の時期になると、日本の北部、オホーツク海にオホーツク高気圧の影響から生じる

冷たくて高湿度のオホーツク海気団が停滞します。

同じ頃に日本の南部に太平洋高気圧から生じる暖かく高湿度の小笠原気団が勢力をつけます。

そしてその2つの気団がほぼ同じ勢力で、且つちょうど日本列島の上でぶつかり合います。

それが日本で梅雨を生じる梅雨前線です。

 

梅雨入り、梅雨の中休み、そして梅雨明け

では次に梅雨はどのように始まりどのように過ぎ去っていくのかを見てみましょう。

まずは梅雨入り。この時期は肌寒く湿度もあまり高くない時期が続きます。

雨も大降りというよりはシトシトと静かな雨が多いようです。

次に梅雨の半ば頃、梅雨前線が南下もしくは北上することで一旦天気が回復します。

この頃を梅雨の中休みと呼びますが、

急に気温が上がり晴天が続いたりと真夏のような天気になります。

天候の変化から体調を崩しやすい時期とも言われていて、

熱中症になる方も急増するので注意が必要な時期でもあります。

今回は梅雨の中休みに入ったと思っていたら、そのまま梅雨明けの発表がありました。

 

そして本来ならば梅雨の中休みの後にもう一度雨が降り続け、

その後にようやく梅雨明けとなります。

梅雨が明けるというのは小笠原気団が北上し、それに伴い梅雨前線が移動するためです。

そのため梅雨が明けた地域では太平洋高気圧に覆われ夏到来となります。

今回の異常な早さの梅雨明けは、太平洋高気圧が通常より早く北に張り出し、

関東甲信を覆い続けると予想されたためということだそうです。

憂鬱な雨、されど恵みの雨

あっという間に過ぎてしまった今年の梅雨ですが、

過ぎてしまうと雨がしたたつ涼しい季節が恋しくなりますね。

 

ちなみに、9月頃に雨が続く秋の長雨は秋雨前線がもたらしていますが、

梅雨前線と秋雨前線の違いは何でしょうか?
それは、梅雨前線は小笠原気団が勢力を強めるため北上していくのに対し、

秋雨前線はオホーツク海気団が勢力を強め南下していくという点です。

どちらも同じ気団のぶつかり合いで生じている雨季なのですね。

 

雨が降ると洗濯物ができなかったり外に遊びに行けなかったり何かと嫌なことも多いですが、

とはいえとても大事な恵みの雨。

地球の水のダイナミックな循環を是非お子さまと語り合ってみてください!

 

参考URL:

LIFE DICTIONARY『梅雨前線の仕組みとは?日本の梅雨の特徴や秋雨前線との違いも解説!』

https://life-dictionary.net/rainy-season/tuyu-mechanism/

 

より詳しい解説はこちらから

NIKKEI STYLE『ライフコラム「気団」同士がけんか?梅雨のメカニズム』

https://style.nikkei.com/article/DGXKZO87966530R10C15A6W12001?channel=DF210220171916

 

いろいろな前線の種類(図説つきで、違いがわかりやすいです)

四国電力キッズミュージアム『前線って何?』

http://www.yonden.co.jp/life/kids/museum/science/weather/006-p04.html

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