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3月8日は国際女性デー(IWD; International Women’s Day )であったのはご存知でしたか?
元はニューヨークで女性の参政権を求めた大規模なデモが行われたことが関係し、
のちに国連が制定した記念日です。
女性が政治・社会において平等に参加し、活躍できるように呼びかける日となっています。
デモが行われた1904年、当時日本では日露戦争が行われていましたが、
その頃と比べると政治・社会で活躍する女性は多いに増加傾向にあるのではないでしょうか。
では一方で、STEM分野において、女性の活躍ぶりは一体どのようなものなのでしょうか?
今回はOECD(経済開発協力機構)が実施した2015年のPISA(国際学力調査)の結果から、
日本における女の子のSTEM教育について考察した記事を紹介いたします。
日本の科学スコアはトップ、男女間格差は先進国で4番目
まず、2015年の結果ではOECD諸国の中で日本は科学分野でトップのスコアを飾りました。
しかし一方で、日本の男女間では女子のスコアが低く、その差は先進国でも4番目となり、
男女間で大きな差が出るという結果になりました。
また、STEM系学位取得者の割合においても、日本の男子はトップクラスにあるにもかかわらず、
女子の割合はワースト3に入る結果に・・・
STEM系修士号取得割合においても男子が平均にあるのに対し、
女子はワースト5に入る結果となりました。
この結果からは、日本ではSTEM分野において女性の育成があまり進んでいないように思われます。
では、なぜそのような結果になっているのでしょうか。
女子のSTEM教育を難しくしている原因について幾つかの原因があげられるようです。
必要なのはステレオタイプの打破とロールモデルとなる大人
一つの重要な点は、社会において「科学や数学は男性のもの」というステレオタイプが
強いほど男女間学力差が大きくなるといったことです。
こういったステレオタイプのせいで、女の子のSTEM分野への関心・自信といった
マインドセットがうまく行われず、女子のSTEM離れ起きてしまいます。
現在の日本ではそのようなステレオタイプを拭いきれていないのではないでしょうか。
また、家庭において母親が「男子は数学、女子は国語」というジェンダーバイアスを持っていること、
母親自身が数学が苦手であることも子どもの思考に影響を与えるといるようです。
今の母親世代では確かにSTEM分野が苦手な方も多いのではないでしょうか。
さらに興味深いことに、女性講師の存在が女子のSTEM教育を促進するという結果も
得られているようです。マサチューセッツ工科大学での実験的に行われた学習グループでは
女性講師を増やした結果、女子学生の成績が大きく向上したとの結果が出たそうです。
日本では未だにSTEM教育分野では男性講師が多いという現状も、
女子のSTEM離れに影響しているのではないかと考えさせられます。
今後もSTEM分野での女性の活躍を見守っていきます!
保護者または教育従事者としては、ちょっとドキッとするような内容でしたね。
社会、家庭、そして我々教育従事者が一丸となって新しいマインドを持ち、
子どもたちのロールモデルとなっていく。
そうすることでSTEM分野における今後の女性の活躍を支えることができるのではないでしょうか。
STEM分野と男女に関しては、STEM教育における男女の違いや、
世界で活躍する女性エンジニア、女性エンジニアとして働くことについてなど
今後も参考になる記事を紹介していく予定です!
参考URL:
Wezzy
『女子の理系離れが起きる6つの理由 男女の賃金格差解消の肝となるSTEM教育を促進するには』
http://wezz-y.com/archives/51004
現代ビジネス『世界のエリートが重視する「STEM教育」日本が抱える2つの難題』