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2016年9月8日

日本科学未来館科学×コサイエ座談会<第1回「知識が積み上がってわかると面白い」>

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2016年9月8日 カテゴリー:イベント告知 / 対談
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GEMSとのCoscie Talk#001に引き続き、今回は、昨年9月から開講している「Miraikan Lab  サテライト」について、日本科学未来館の科学コミュニケーターの皆さんと語り合う座談会を開催しました!

 

日本科学未来館(以下、未来館)は、東京お台場にある科学館であり、先端科学技術と社会をつなぐ役割を担っている科学コミュニケーターを多数擁する機関です。

 

コサイエは開業当初から「Miraikan Lab サテライト」の日本発の実施場所として未来館が開発したプログラムをコサイエコーディネイターが行ってきました。実施してきたプログラムは気象コース単発講座2つ、ロボット工学コース単発講座1つ、そして4月にスタートした気象コースシリーズ講座。

 

今回は、単発講座での試行錯誤や、気象コースシリーズ講座「天気が教えてくれる地球のこと」やこれからリリースされるロボット工学コースについて、いつもお世話になっている未来館の科学コミュニケーターの皆さんを迎えて、語り合いました。

 

当初は1回完結の記事とする予定でしたが、その中身の濃さ、皆さんに伝えたい思いの強さに合わせ、全3回の連載企画としてお届けします!(原島)

 

 

<第1回「知識が積み上がってわかると面白い」>

 

【原島(コサイエ)】では、今日も海老名までありがとうございます。

【一同】今さら!?(笑)

 

(この日、直前まで気象コース第5回の実施に向けた打ち合わせをしていました)

 

【原島】いえ、改めてコサイエの印象を伺いたくて(笑)。

【田中(未来館)】コサイエの印象かぁ…。

【松浦(未来館)】本当は自分がそこに寝っ転がっていたい(笑)。なんか、色々追いついていないんです。コサイエの変化に(笑)。

【三上(コサイエ)】開業前からずっと一緒にやっていただいていますもんね。

【田中】木が基調になっていて、アットホームな感じがします。

【一同】あぁー。

【松浦】うん。懐かしいですね、開業直後くらいにテラスでごはん食べましたよね。

【田中】最初から居心地の良い感じはしていました。

【雨宮(未来館)】居心地抜群ですよね。僕は途中から入ったメンバーなので、ちょっと構えながらコサイエに足を踏み入れたんですけど、最初来て、ソファで座って待っていて、2,3分待っていたら、だいたい家にいるような感じになってしまって(笑)。

【松浦】ここがね、くつろぎスペースになっていて良いですよね!

【田中】あー、いいですね。すごくいい。

 

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左から科学コミュニケーター 雨宮さん、松浦さん、田中さん

 

 

【原島】屋内の雰囲気は未来館と比べてどうですか?

【松浦】未来館、くつろぐ場所そんなにないよね(笑)。

【田中】うーん…。

【松浦】未来館の方が開放的ではあるけどね。

【田中】未来館も子どもが来る場所ではありますけど、何が違うんだろう。

【松浦】うーん、木でできているものがカフェぐらいかなぁ。

【雨宮】なんか、そのまま木の匂いがすると違いますよね。

【松浦】匂いね!

【三上】匂いですね、結構ここはしますよね。だいぶ今は落ち着きましたけど、オープン当初は結構強く木の匂いがしてました。

【松浦】(未来館は)近未来的な感じはするよね。ガラスの壁というか、窓が多いので、お日様の光が入ってきて明るいんです。

 

未来館 対談8.11_6276

コサイエコーディネイターの三上、原島

 

 

「科学的視点を丁寧に積み上げていく」

【原島】子どもたちはどうですか。未来館に来る子どもたちとコサイエの子たちを比べてみて、何か違いはありますか。

【松浦】年齢かな。

【田中】未来館にはすごく小さい子から大人まで来るので、年代に幅があるのと、比較的、やっぱり科学好きが多い。元々、「科学が好き」っていう子が多いですよね。

【松浦】多い。すごいマニアックな子もいる(笑)。宇宙マニアな子もいれば、燃料電池マニアな子もいるし。

【雨宮】元素マニアの子なんかすごいですよ。「99番目の元素は?」ってクイズ出したら、「アインスタイニウム!」って即答されたりとか(笑)。

【一同】(笑)。

【松浦】科学好きの子は、すでに知識があって、「それは知ってるけど、だから?」みたいな時がないわけじゃない。でも、コサイエでも未来館でも共通して言えるのは、子どもたちが「正しいこと」を言わなきゃいけないと思っているように感じるってことです。「間違っていないかなぁ」と心配しながら返事をしちゃう風潮が今の子どもたち全般に感じます。「良いんだよ、間違っても」ってこっちは思っているのに、「間違ったらおこられる」とか、「かっこわるい」とか、「正解じゃなきゃいけない」みたいに、未来館でも、コサイエでも、子どもたちはなんだかモジモジしながら、間違えることをちょっと恐れているような気がする。実験祭りの時はね、そんな間違えるも何もなくて、「実験だ!」って純粋に楽しんでくれてましたけど。うーん、そんな気はしちゃうなぁ。

でも、今回のMiraikan Lab サテライトで取り扱っているテーマって、最終的には答えがないことを考えていくためのプログラムなんです。考えなきゃいけないけれど「どうやって考えるのか」っていう時に、持つべき科学的視点っていうのを積み上げて提供していくっていうプログラムになっているので、事実はあるんだけど、別に正解が言えなきゃいけない訳じゃない。知識を積み上げて、その上で「じゃあどうしたらいいんだろう」って、最終的に考えられることの方が大事で。子どもたちの既成概念みたいなものを壊しながら、でも、「知識が積み上がってわかると面白いね」っていうことはシリーズをやっていて、私たち自身思ったし、子どもたちにも伝えたいって思ったよね。

【田中】うんうん。

【松浦】知識が積み上がっていって、「あ!だからか!」っていうところにたどり着いている。たぶん、1対1対応みたいに知識だけ学校で習ってしまっていて、「『温かい水や空気は浮く、冷たい水や空気は沈む』それは知ってる」って。だけど、「なんで」ってところをやっていないから、次につながらない。そこには浮力という科学の基礎があって、「周りの同じ体積のものよりも軽ければ浮く、重ければ沈む」っていうことがわかっていれば、水も空気もどんなものも一緒で、「だから(あたたかい水や空気は浮く)なのね」っていうところにたどり着いてほしい。「なんで」っていうところが大事なので、そこが伝わっていってほしい。参加してくれている子たちはそれが着実に積み上がっているなっていうのは見ていて思いますね。

【三上】なるほど。

【原島】コサイエで自分が設計した講座、三上さんや寺尾さんが設計された講座をやる時も、「なんで」って疑問に思うことや「自分で考える」ということは大事にしています。ただ、ミッションだったり、「何かをつくる」という目標を掲げたりして、それに向けて必要なこととして「自分で考える」ということをやってもらうことが多いんですけど、未来館のプログラムは、ひとつひとつの知識についてもすごく丁寧に積み上げていくじゃないですか。毎回の振り返りをしっかりやりますし、未来館のプログラム全体がそうなのかもしれないですけれど、科学的視点を丁寧に積み上げていくところが未来館のプログラムの特徴なのかなと思います。

【田中】講座を組む時、「何を伝えたいのか」っていうことを大事にしていて。今回の気象コースのシリーズ講座であれば、気象に関する知識とそこに人間活動が加わることでの変化を伝えるんですけど、ひとつひとつのプログラムを組み立てる時に、やっぱり科学的な部分をひとつひとつしっかり見ていかないと、理解できないし、積み上がらない。科学的なところをひとつひとつ読み砕いて丁寧に設計したし、そうしないと前に進めなかったかな。

【松浦】進めなかった。進めなかったし、そこを「ま、いっか」って適当にしておくと、絶対どこかで、プログラムを作っている時に詰まるんですよ。子どもたちには伝えないこともあるけど、「この科学的事実があるから、こうなる」っていうのが、まず我々の中で整頓されていないと、プログラムを作れなかったというのは、プログラムの制作の中で結構大きかった。最後の最後まで私たちが勉強していて。本当にたくさんの参考書を読みあさっていました。

【田中】そうですね。気象コースのシリーズ講座全6回を「こういう組み立てでやっていきます」「こんな実験でやります」っていうのをコサイエの皆さんにお送りできるまでに、すごい時間がかかっていて。全体設計は時間がすごくかかっていますね。それができてしまえば、もう元になるものがもうあるので、スライドづくりやワークシートづくりといった作業は、比較的、進めやすかったですね。

 

未来館 対談8.11_8028

「Miraikan Lab サテライト」気象コース担当のお二人、掛け合いも絶妙です。

 

 

「身近なところに紐付けてほしい」

【松浦】未来館内でやっているものと、今回サテライトでやっているものの大きな違いは、シリーズになっているというところと、比較的、身近なテーマであること。未来館でやっているプログラムだと、学校で習うような事実を復習するって、あんまりないんですよ。いきなり「これはこういうものです」パンって出して、「じゃあ、やってみましょう、どうぞ!」って。DNA抽出やロボットも学校の授業では基本的にはやらないことですよね。だけど、気象コースのシリーズ講座って、「空気が温まったら上に上がっていって、対流現象が起きる」とか、そういうものも全部復習して積み重ねて、「だからこれなんです」っていう、この天気・気候という複雑な現象を取り扱って最後に地球温暖化について考えるところまで持っていっているというのは、特徴的かもしれない。

【田中】シリーズだからできることですね。これだけ細かくできるというのは。

【松浦】うん。やっぱり今回、「Miraikan Lab サテライト」っていうプログラムをつくるにあたって、未来館の外で、未来館じゃない人にやってもらうっていうことを考えた時に、「身近なところに紐付けてほしい」っていう思いはあったんです。身近なことから地球規模課題っていうところまでをちゃんと、ホップ・ステップ・ジャンプじゃないですけど、着実に近づけていけるような構成にしたいというのは、元々の構想の時点からあって、それはすごく意識されていますね。身の回りの事象の観察とか、そういう活動を意識して組み込んでいます。だから、ロボットもなるべくね(笑)。

【雨宮】身近なところから紐付けて(笑)。

【松浦】そう。自動運転車ロボットを作る、は良いのだけど、必要なセンサーについても「センサーってこれだよね、ポン」って感じじゃなくて、「じゃあ人間にとってのセンサーって何だろう」とか、「自分の目の前を通っていた車のセンサーって何だろう」とか、身近なところに必ず繋げるっていうのは、ロボット工学コースでもすごく意識しているかな。気象コースにしても、ロボット工学コースにしても、科学的視点が確実に入っていることと身近な事象につなげることは徹底させています。

 

未来館 対談8.11_8541

雨宮さん(写真中、一番右)は10月スタート予定のロボット工学コースを担当。

 

 

「身の回りのことがわかると、楽しいはずなんです」

【三上】そうですよね。単発から考えたら、もう1年半以上ずっと時間をかけていただいていますよね、このコースって。

【松浦】はい。単発のプログラムはやっぱり入り口なので、結構「fun」の部分が多くって。もちろん、科学的に間違ったことはひとつもないんですけど、「じゃあなんで」と問う前の本当に入り口で「ある現象って面白い」って思ってもらうところまで。気象コースのシリーズ各回の中でやっている一部だけでコンテンツができている。シリーズで苦労した点はやっぱり、どの科学的事実を伝えるのか、矛盾の起こっていないことを、難しい言葉、難しいキーワードを使わず、理解していってもらうか、というところでした。

【田中】例えば、第5回では、前線の話をしています。でも「前線」という言葉はあえて出さない。

【松浦】第4回に内容として取り上げた「飽和水蒸気圧」も中学生が勉強することじゃないですか。だけど、「飽和水蒸気圧」って言葉は使わない。その現象自体を難しく捉えずに、彼らは知識として習得していっているはずなんですよ。当たり前のようにそれを捉えられるようになる、ということは意識していますね。

【原島】知識としての概念が先にあって、それが実際に世の中で、世界でどうなっているのかということではなく、世界の現象がどうなっているのかということをまず理解してもらって、後でその概念に、名前がラベルとなってついていくって感じですよね。

【松浦】そう。ネーミングが付いていくって感じですね。だから、中学に行った時に「それ、Miraikan Lab サテライトの気象でやった」「これ、見たことある」「この話知ってる」「あ、飽和水蒸気圧って言うんだー」ってくらいが良いな、と(笑)。

身の回りのことがわかると、楽しいはずなんですよね。それと後から入ってくる知識っていうか、学校で習う文字面としての知識が合わさってきた時の楽しさってありますよね。結びついた瞬間に「あ、あれだ」っていうね。「なんかよくわからないけど、覚えなきゃいけない」「テストの点を取らなきゃいけない」と考えてしまうと、つまらないじゃないですか。でも、現にここで起きていることが、理解できるって楽しくて。実際、空の見方が変わったよね。我々自身も。

【田中】そうですね。コンテンツを作っている自分たちが楽しい。

【三上】そうですね。気象みたいなことって、身近だけど、自分の身の回りで、身の回りにあるもので簡単にすぐできるものじゃないような感覚ってあるんですよ。僕みたいな人間にとっては。

【松浦】スケールが大きいですからね。

【三上】そう。スケールが大きいから、それをどういう風に自分のこととして考えればいいのかわからない中で、授業がそれこそ「ペットボトルを使って作ったものでできる」とか、「100円ショップで買ったものでこういうものが作れるんですよ」って言ってやっていく面白さって、自分でやっていて感じていて。子どもたちもそれはかなりあると思うんですよね。

 

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<第2回「大人も楽しんで学んでいる」>が公開されました。続きはこちら

 

 

 

■「Miraikan Labサテライト」気象コース 第2クール目今秋開講予定!

4月からスタートした全6回の気象コースが、この9月で終了します。

同時に、今秋から第2クールの募集を開始します。

そのため気象コースの説明会を随時開催します。詳しくはこちら

 

■「Miraikan Labサテライト」第2弾ロボットコース 第1クール目年内開講予定!

気象コースに続き、年内に「Miraikan Labサテライト」第2弾ロボットコース開講予定。

詳細は近日公開予定。お楽しみに!

 

 

 

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